こんにちは、yuuです。
今回は少し怖い響きをもつことわざ「人を呪わば穴二つ(ひとをのろわばあなふたつ)」を紹介します。実はこの言葉、ホラーではなく「悪意を向ければ自分にも返ってくる」という深い人間の真理を表しています。
ことわざの意味
「人を呪わば穴二つ」とは、他人を陥れようとすれば、その報いが自分にも返ってくるという意味のことわざです。
「穴二つ」とは、お墓の穴を指しています。
つまり、相手を呪って一つ、自分ももう一つ、二つの墓穴が必要になるというたとえです。
人を害そうとする行為は、最終的に自分自身をも破滅させるという戒めが込められています。

由来と背景
このことわざの語源に明確な出典はありませんが、仏教の「因果応報」や「業(カルマ)」の思想と深く関係しているといわれます。
また、西洋にも似た表現があります。
He who digs a pit for others falls into it himself.
(他人のために穴を掘る者は、自らその穴に落ちる)
どの国でも、「悪意は巡り巡って自分に返る」という教えは共通しているようです。
現代社会ではSNSの普及で、言葉が自身の意図とは異なる受け取り方をされることもあります。悪意がなくても誤解や行き違いから関係がぎくしゃくしてしまうことがあるのです。
しかし、感情的な反応で誰かを攻撃すれば、最終的に自分の信頼や立場を失ってしまいます。「人を呪わば穴二つ」は、そんなストレス社会における“冷静さの教訓”として、今も生き続けているのです。
使い方と例文
日常での使い方
- 他人の失敗を願った結果、自分もトラブルに巻き込まれたとき
 - 嫉妬や悪口がブーメランのように返ってきたとき
 - 誰かを陥れようとした行動が、自分の信用を失う結果になったとき
 
例文
- 同僚の悪口を言いふらしたら、自分の信用が落ちた。まさに人を呪わば穴二つだ。
 - 他人を蹴落とすより、自分を磨いた方がいい。人を呪わば穴二つって言うしね。
 - SNSで誰かを批判した投稿が拡散し、逆に自分が炎上してしまった。人を呪わば穴二つとはこのことだ。
 
このように、他人に向けた悪意が結局自分に返ってきたときによく使われます。
古くからの教えですが、現代でも身近な出来事にぴったり当てはまる言葉です。
現代的な言い換え・類義語
言い換え表現
- 自業自得
 - 因果応報
 - ブーメラン(現代的スラング)
 
類義語
- 情けは人のためならず(善意も悪意も巡って自分に返る)
→ 詳しくはこちら:ことわざ「情けは人のためならず」とは?意味・由来・使い方を解説 - 天に唾する(他人を害そうとして自分が傷つく)
 
対義語
- 善因善果・悪因悪果(善い行いをすれば良い結果が返るという逆の発想)
 
心理学では「投影」という考え方があります。
他人を責める気持ちは、実は自分の中の不安や欠点を映している場合があるのです。
「人を呪わば穴二つ」は、その“投影の危うさ”にも気づかせてくれる言葉といえるでしょう。
まとめ
このことわざは、他人への悪意は最終的に自分をも傷つけるという警告の言葉です。
怒りや嫉妬に心を奪われそうになったときこそ、いったん立ち止まって心を静めることが大切です。人を呪うより、自分の心を癒やす――それが本当の強さなのかもしれません。
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