こんにちは、yuuです。
今回は、誤解されやすいことわざ「情けは人のためならず」について取り上げます。
「人のためにならない」という意味ではなく、実はとても温かい教えが込められているんです。
「情けは人のためならず」とは?
「情けは人のためならず」とは、
人に親切にすることは、その人のためだけでなく、巡り巡って自分のためにもなる
という意味のことわざです。
一方で、誤解されやすいのが、
「人に情けをかけても、その人のためにならない」
という解釈。
この誤用が広まっているため、日本語学習でも必ず取り上げられる表現のひとつになっています。

コラム:そもそも「情け」って?
「情け」とは、思いやり・親切心・人間らしい心のぬくもり を意味します。
現代語ではあまり使わないため、漠然としたイメージでとらえられがちです。
「情けない」との関係
「情けない」という言葉は、
- みっともない
- 恥ずかしい
- 頼りない
といった意味で使われますが、もともとは 「人としての情けがない=人間らしさが欠けている」 というところから生まれた表現です。
「情け無用」とは?
同じ「情け」を使った言葉に「情け無用」があります。
これは「一切の容赦をしない」「同情は不要」という意味で、時代劇などで武士が相手に言い放つセリフとして有名ですね。
- 「情けは人のためならず」= 人に優しくすれば巡り巡って自分に返る
- 「情け無用」= 容赦なし、同情不要
同じ「情け」でも、真逆のニュアンスを持つのが面白いところです。
ことわざの由来・背景
この表現は、江戸時代から広く使われてきました。
背景にあるのは「因果応報」や「お互いさま」の精神です。
つまり、困っている人に手を差し伸べることは、その人を助けるだけでなく、
やがて自分が困ったときに誰かから助けられる ― そんな人と人とのつながりを大切にする考え方が根底にあります。
使い方の例文
正しい使い方
「困っている人を助けるのは、情けは人のためならず。きっと自分にも返ってくるよ。」
誤った使い方
「情けは人のためならずだから、親切はやめておこう。」(これは誤解!)
使うときは、前後の文脈で「巡り巡って自分に返ってくる」という意味が伝わるようにするとわかりやすいです。
現代での活かし方
- ビジネスシーン:ちょっとした気配りやフォローが、信頼関係を築くきっかけになる。
- 日常生活:思いやりや親切は、巡り巡って自分の暮らしを豊かにしてくれる。
- SNS時代:ネット上での言葉や行動も、ポジティブなものは巡って自分に返ってくる。
「情けは人のためならず」という考え方は、現代社会でも生き方のヒントになります。
類似することわざ・表現
- 善因善果(よい行いはよい結果を生む)
- 人を呪わば穴二つ(人に悪意を向ければ、自分にも返ってくる)
- 人の振り見て我が振り直せ(他人の行動を見て自分を省みる)
- 情けは人の花(情けは人を美しくする)
どれも「人との関わりの中で、自分も育てられる」という共通点がありますね。
まとめ
「情けは人のためならず」とは、
人に親切にすれば、それはいつか自分に返ってくる
ということわざです。
誤解されやすい表現ですが、正しく理解すると、日常やビジネス、人間関係に活かせる知恵として役立ちます。
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「親切がめぐってかえるって、すてきなことばだにゃっ

