慣用句「昔取った杵柄」とは?意味・由来・使い方と英語表現も解説

📝コトノハ綴り

こんにちは、yuuです。
今日ご紹介するのは慣用句「昔取った杵柄」。一度身につけた技術や経験は、長い年月が経っても衰えないことを表す言葉です。

慣用句の意味

「昔取った杵柄」とは、若いころや以前に身につけた技術や経験が、久しぶりでも活かせるという意味を持ちます。
ブランクがあっても自然に体が覚えていて、思い出すようにできてしまう時に使います。

ピアノを弾く料理人 ― まさに“昔取った杵柄”の一例

ことわざとの違い

「昔取った杵柄」は慣用句であり、ことわざではありません。

  • ことわざ…人生訓や教訓を含む短文(例:「石の上にも三年」)
  • 慣用句…決まった言い回しで状況や心情を表すもの(例:「猫の手も借りたい」「昔取った杵柄」)

ことわざのようでもあるので、迷ったときは「人生訓が含まれた短文か、否か」で判断するとよいでしょう。

由来・語源

「杵柄(きねづか)」とは、餅つきに使う杵の持ち手部分のことです。
本来「柄」は「え」と読むのが一般的(傘の柄=かさのえ、包丁の柄=ほうちょうのえ)ですが、この場合は「杵のつか」と同じ意味で使われ、「きねづか」と読むようになりました。

昔の日本では餅つきが年中行事であり、村や集落で杵と臼を共同で使うことも多かったのです。繰り返し行ううちに体で覚える動作となり、ブランクがあっても自然に思い出せる。その背景から「昔取った杵柄」という表現が生まれました。

現代に置き換えると?

現代の私たちにとって餅つきは正月の年中行事のイメージですが、昔は日常の延長にあった作業でした。
そこで、今の生活に置き換えると以下のような場面が「昔取った杵柄」といえるでしょう。

  • 自転車の乗り方を久しぶりに試したらすぐに乗れた
  • ピアノやギターなど、学生時代の楽器演奏が意外と弾ける
  • しばらく運転していなかった車でも、ハンドルを握れば自然に操作できる
  • 久々にスポーツをしたらフォームや動きが体に残っていた

つまり「昔取った杵柄」とは、現代なら「ブランクがあっても体が覚えている技術や経験」と言い換えられます。

英語表現との比較

実は英語にも似たような表現があります。

  • like riding a bike(自転車の乗り方のように、一度覚えたら忘れない)
  • old habits die hard(古い習慣はなかなか抜けない)

特に like riding a bike は「昔取った杵柄」とニュアンスが近く、英語圏でも「ブランクがあっても体が覚えている」という感覚が共有されているのがわかります。

類義語・対義語

  • 類義語:体が覚えている、経験は財産
  • 対義語:下手の横好き、一夜漬け

関連する日本語表現

同じように「経験や習慣は後に活きる」ことを示す言葉もあります。

  • 芸は身を助ける … 身につけた芸や技術は生活の役に立つ。
  • 習うより慣れよ … 教わるよりも実際に経験して慣れることが大事。
  • 三つ子の魂百まで … 幼いころの性質や習慣は大人になっても変わらない。

これらも「昔取った杵柄」と同じく、経験の力を強調する表現です。

まとめ

「昔取った杵柄」は、年齢やブランクを超えて残る経験の力を表す慣用句です。それを実感をしたことはありませんか?
とっさに体が動いただけなのに「意外と覚えているものだ」と感じる瞬間もあるのではないでしょうか。そういう場面がまさにこの慣用句の出番です。自分にとっての「杵柄」は何だろうと考えてみるのも面白いものです。仲間と集まったときに、何年たっても衰えない特技を披露し合えば、思わぬ盛り上がりや楽しい時間が生まれるはずです。

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たーさん
たーさん

誰が昔の技を忘れたって?ちゃんと覚えてるにゃっ

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