【後編】犬猫の多頭飼い|お迎え直後の子犬・子猫の健康管理チェックリスト(初日〜2週間)

🐾いぬねこ飼育記

こんにちは、yuuです。
後編では、新入りの体調安定と感染対策を中心に、初日から2週間の実務ポイントをチェックリスト形式でまとめます。健康が整うと、前編の「引き合わせ」も格段にスムーズになります。

前編(引き合わせ編)はこちら → 【前編】犬猫の多頭飼いはじめ方|先住犬・先住猫への安全な引き合わせ完全ガイド


初日にやること

  • 動物病院で健康チェック(できれば接触前)
    既往歴・ワクチン履歴確認、体重・寄生虫チェック
  • 隔離スペースを確保(先住とは生活導線を分離)
    ケージ/サークル、寝床、トイレ、食器、水場を新入り専用に
  • 記録ノート作成
    食事量、排泄回数・状態、体重、くしゃみ/目やに/咳などを記録

環境づくり(子犬・子猫共通)

  • 静かで落ち着ける場所に設置(人の出入り過多は避ける)
  • 温度/保温:子猫・小型子犬は冷えに弱いため、毛布や低温ヒーターで暖かく保つ
  • 衛生:トイレ・水・食器はこまめに洗浄し、先住とは共有しない
  • 睡眠:長時間の睡眠が必要。起こして触れすぎない

食事・水分

  • 月齢に合うフード(ブリーダー/保護元の食事から徐々に切替)
  • 急な変更は下痢のもと。3〜7日かけて混合比を調整
  • 新鮮な水を常に。食事後の吐出/下痢が続くなら受診

排泄とトイレ

  • :トイレは頭数+1を目安に、砂・設置場所も分ける
  • :トイレトレイは寝床から離し、成功を静かに褒めて定着
  • 便・尿チェック:ゆる便、血便、頻尿/無尿が見られた場合は、早めに動物病院へ相談

1〜2週間のスケジュール目安

  • Day1–3:隔離・安静。食欲/排泄/体温感覚/くしゃみ・目やにを観察
  • Day4–7:体調が安定していれば視覚接触(前編手順)へ進行
  • Day8–14:短時間の同室時間を徐々に延長。無理はしない

子犬・子猫ならではの慣らし

子犬や子猫の時期には、人や生活環境に慣れるための工夫が大切です。たとえば体を優しく触って慣れさせる「ハンドリング」では、抱っこや四肢に触れるなど短時間で人の手に慣れる体験を繰り返し、最後には必ずご褒美を与えるようにします。
また、ブラッシングや爪切りも遊びと結びつけて「楽しいこと」として学習させるとスムーズです。
さらに、ご飯をクレートやケージの中で与えることで、その場所を安心できる基地として覚えてくれるようになります。


感染・寄生虫対策の基本

  • 先住との本格接触は、獣医の所見で問題なしが出てから
  • ワクチンや駆虫のスケジュールは病院の指示に従う
  • 咳・鼻水・目やに・下痢・嘔吐・極端な元気消失は早めに受診

受診の目安(迷ったら早め)

  • 24時間以上の食欲不振/水分不摂取
  • 繰り返す嘔吐や水様便、血便
  • 呼吸が苦しそう、ぐったり、体が熱い/冷たい

わが家の体験例

1匹目に迎えたパピヨンのえーちゃんと、続いて迎えたミヌエットのたーさんはいずれも健康上の問題はありませんでした。
今思えば飼育経験がなかった1匹目に問題がなくて本当によかったと思います。

パピヨンの2匹目けーたんは、手のひらサイズで体重が500gを切る小ささでした。
到着時は、健康体でごはんもよく食べ、排泄も問題なく、よく寝て遊んで元気いっぱいでした。

お迎え2日目のけーたん。遊び疲れて寝落ちしたところです。

3週間ほどたった頃、便に血が混じり始めました。すぐに動物病院を受診すると「コクシジウム症」と診断されました。潜伏期間があるのでブリーダーさんのところを出る前には感染していたのではないかとのことでしたが、その時点では先住のえーちゃんと接触をしていたため、ほどなくえーちゃんも発症してしまいました。
薬の投与で2匹とも快復しましたが、お迎え前に健康診断をしていても潜伏期間までは確認できないのだと実感しました。
※コクシジウム症…犬の腸に寄生する原虫による感染症で、主に子犬に下痢などの症状を引き起こします。

左:月齢3か月半のけーたんハゲ 右:1歳になったえーちゃん 
お気に入りのおもちゃを奪われて抗議中

ミヌエットの2匹目はーちゃんは、お迎えの日、夕方の5時過ぎにわが家に到着しました。到着時の体重は875gで、体を触るとやや痩せ気味でしたが、ごはんをしっかり食べたあと体を伸ばして眠り、とてもリラックスしていました。

到着したばかりのはーちゃん。顔が猫じゃらしの穂先より小さい。

ところが翌日、トイレを覗いてみても排泄の跡がありません。新しい環境で緊張しているのかもしれないと様子を見ていましたが、ごはんはきちんと食べ、遊びもするのに、トイレに入ってはすぐ出るのを繰り返すだけでした。猫じゃらしで体を動かしたり、お腹のマッサージもしましたが排泄はありません。
24時間を過ぎると、元気はあるもののさすがに心配になってきました。お腹はパンパンに張り、体重は1015gまで増えていました。たった一日でこれほどの増加は尿閉の可能性があり、急変もあり得るとのこと。急いで夜間病院に連れて行く準備をしました。そのころにはトイレに入っては鳴き声をあげ、しきりに砂をかいていました。
夜間病院の電話がつながらず慌てていたとき、ようやく排泄がありました。便と尿が同時に出て、何事もなかったような顔をしていたはーちゃん。排泄後の体重は945gで、やはり一度も排泄ができていなかったと分かりました。尿にも便にも異常は見られなかったので、夜間病院へ行くのはやめにしました。たーさんをお迎えしたときからですが、ペット用の体重計を用意して日々記録を残していたのは正解だったと感じます。

排泄してすぐに眠ってしまったはーちゃんです。おもちゃを枕に夢の中。

まとめ

最初の2週間は「体調安定>交流」が基本です。隔離・衛生・記録の3点で土台を整えることが大切。体調が整えば、前編の段階的引き合わせもスムーズに進みます。

前編(引き合わせ編)はこちら → 【前編】犬猫の多頭飼いはじめ方|先住犬・先住猫への安全な引き合わせ完全ガイド

たーさん
たーさん

安心できる場所でゆっくり眠れるのが一番しあわせにゃっ。

はーちゃん
はーちゃん

ごはんいっぱい食べるけど、実は繊細なタイプなのにゃっ。

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