こんにちは、yuuです。
今回は「阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)」という慣用句についてご紹介します。
スポーツや仕事の場面で「息が合っている」ことを表す言葉ですが、由来をたどると仏教や神社にまでつながる奥深い表現なのです。
阿吽の呼吸の意味
「阿吽の呼吸」とは、互いの気持ちや動きがぴったり合うことを意味します。
言葉を交わさなくても自然に意思疎通できるような状態を指し、スポーツや舞台、さらには夫婦や友人同士の関係でもよく使われます。
言葉の由来:狛犬の「阿形」と「吽形」

「阿吽(あうん)」はサンスクリット語の発音「a」と「hūṃ」に由来し、始まりと終わりを表します。
この考え方は日本に伝わり、神社や寺院の入口にある狛犬(獅子像)に息づいています。
- 阿形(あぎょう):口を開いて「ア」と発音している姿
- 吽形(うんぎょう):口を閉じて「ン(ウン)」と発音している姿
この二体が対になって置かれることで、参拝者に「万物の始まりと終わり」「守護と調和」を示しています。
ここから転じて「阿吽の呼吸」=相手との呼吸がぴったり合うこと、という意味に広がりました。
さらに、身近なイメージに置き換えるとわかりやすくなります。
例えば「阿形」はスタートを切る人、「吽形」は最後を締める人と考えると、チームプレーや夫婦の役割分担に当てはめて理解しやすいでしょう。
現代風に言い換えると?
「阿吽の呼吸」という表現はやや古風に聞こえるかもしれません。
現代の日常会話に置き換えると、次のような言い方が近いイメージです。
息ぴったり
夫婦や友人同士など、普段から行動が自然に合うときによく使われます。
チームワークが抜群
ビジネスやスポーツの場面で、グループ全体の連携がうまくいっている様子を表します。
シンクロする
ダンスや演奏など、動きやリズムが完全に一致したときの表現です。
空気を読む
相手の気持ちや場の雰囲気を敏感に察して行動できるときに使われます。
ナイスコンビ
お笑いコンビや仲の良い友人など、息が合う二人組を褒めるときの言い回しです。
使い方の例文
- 会議中、同僚と目が合い、自然に役割を分担できた。まさに阿吽の呼吸だ。
- ダンスペアの動きが息ぴったりで、観客を魅了した。
- 幼なじみとは阿吽の呼吸で話が進むので、説明がいらない。

類語・関連表現
- 以心伝心
- 呼吸が合う
- 息ぴったり
- 心が通じ合う
まとめ
「阿吽の呼吸」は、古代インドの言葉や神社の狛犬に由来しながらも、現代では「息がぴったり合うこと」を表す便利な慣用句です。
人とのつながりを大切にする日本らしい言葉ともいえるでしょう。例えば、老夫婦が「あれ、とって」「あ、はいはい」と自然に通じ合うような光景も、この慣用句を思わせます。まさに「以心伝心」。現代では人間関係の距離感に気を遣うことも多いですが、信頼関係を築き、互いを理解し合うことで、よりスムーズなコミュニケーションにつながっていくのだと思います。
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ごはんの時は阿吽の呼吸で集合にゃっ

