ことわざ「船頭多くして船山に登る」の意味と使い方・例文

📝コトノハ綴り

こんにちは、yuuです。

今日は少しユニークなことわざ「船頭多くして船山に登る」についてご紹介します。


船頭多くして船山に登るとは?

意味

指示を出す人(リーダー)が多すぎると、意見がまとまらず、物事が間違った方向に進んでしまうことのたとえです。

由来

このことわざは、船を操る「船頭」が何人もいると、それぞれが異なる方向を指示するため、結果的に船が水上ではなく山に向かってしまう──という、あり得ない状況を面白く表現したものです。江戸時代から使われており、人間関係や組織の意思決定の難しさを端的に表しています。


似た意味を持つ表現

  • 指揮官多くして兵弱し
  • 意見百出(いけんひゃくしゅつ)
  • Too many cooks spoil the broth(料理人が多すぎるとスープが台無しになる)

事例紹介

このことわざは、会議で全員が異なる提案を出し、混乱を招くような場面で使われます。

社内でとあるプロジェクト承認のワークフローが回っていたのですが、3週間経っても最終承認がおりないことがありました。

  • 【課長】「申請理由が弱いから、××を加えてもっとわかりやすくしたほうがいいよ。」
    • 【申請者】「はい。」
  • 【部長】「損益計画は、複数年で立てないとダメじゃないか。」
    • 【申請者】「はい、修正します。」
  • 【本部長】「添付資料には構成図が必要だよ!」
    • 【申請者】「すぐに作成します!」
  • 【常務】「前回のプロジェクト結果を踏まえて、比較資料を作ってよ。」
    • 【申請者】「わかりました!!」

──まるで同じ港をぐるぐる旋回している船のように、なかなか前に進みません。

やがて「船頭」の指示は相反するものとなり、申請者には水上から見上げる険しい山の頂きが、行く手を阻んでいるように感じられたことでしょう。


まとめ

「船頭多くして船山に登る」は、昔のことわざですが、現代でも通じる普遍的な教訓です。

意見やアイデアは多いほど豊かになりますが、方向性を決めるリーダーがいなければ、結局目的地にはたどり着けません。組織やチームで何かを成し遂げるとき、このことわざを思い出してみてください。

言葉の奥深さをもっと楽しみたい方へ。

たーさん
たーさん

行き先は山じゃなくて、おやつ方面にしてほしいにゃっ!

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