こんにちは、yuuです。
「一進一退」という四文字熟語は、ニュースやスポーツ実況、ビジネスの会話など、さまざまな場面でよく耳にする言葉です。前に進んだかと思えば後退し、なかなか安定しない状況を端的に表現できる便利な熟語です。
今回は、意味・由来・使い方に加えて、ニュアンスの深掘りや成長との関係、使うべきでない場面まで、わかりやすくご紹介していきます。
意味
「一進一退」とは、物事が進んだり戻ったりして安定しない状態のことをいいます。
良くなったと思ったらまた悪くなる、後退したと思ってもまた前進する——このように変化を繰り返す状況をそのまま表す熟語です。
- 状況が揺れ動いている
- 良い兆しと悪い兆しが交互に訪れる
- 決着がつかず、不安定な状態が続く
動きが停滞しているわけではなく、前後の変化がある点が特徴です。

由来
この言葉の由来は、「一歩進んでは一歩退く」という動作を表した表現にあります。
古い時代には、軍の進行や退却が落ち着かない様子を描写する際に使われることもありました。戦況の妙を伝える比喩として広まり、その後、日常の出来事や心の動きなどにも使われる一般的な表現となりました。
使い方
「一進一退」は、状況が変動しながら進んでいることを伝えたいときに使います。
たとえば、体調や勉強の成果のように日によって状態が変わるもの、人間関係の距離感が安定しないときなど、身近な場面で自然に使える言葉です。
ビジネスでは、業績が持ち直したかと思えば再び落ち込むなど、波のある進捗を説明するのに向いています。プロジェクトが順調に見えた直後に予想外の課題が発生する場面や、交渉が進展と停滞を繰り返す場面にもよく使われます。
スポーツやニュースでは、優勢と劣勢が入れ替わる試合や、市場が上下を繰り返す値動きなどを表すときに用いられます。いずれの場合も、「決着がつかず、まだ途中である」というニュアンスを込めることができます。
例文
日常での例文
- 風邪の症状は一進一退で、油断できない状態が続いています。
- 勉強の理解度は一進一退ですが、少しずつ前に進んでいる実感があります。
ビジネスでの例文
- 交渉は一進一退の状況が続き、結論にはもうしばらく時間がかかりそうです。
- 業績は一進一退を繰り返していますが、新しい施策により改善の兆しが出てきました。
スポーツ・ニュースでの例文
- 試合は一進一退の攻防となり、最後まで目が離せませんでした。
- 為替相場は一進一退の動きを見せ、投資家の判断も揺れています。
ポジティブ・ネガティブ両面
「一進一退」は、後退を含むためネガティブに聞こえることもありますが、必ずしも悪い意味ではありません。
むしろ「良い兆しと悪い兆しが混ざっている状態」を冷静に表す中立的な言葉です。
たとえば体調の回復期は、良い日と悪い日を繰り返すものですし、勉強も成果が伸びたり停滞したりしながら力が定着していきます。「悪いことばかりではない」「よくなっている瞬間もある」という前向きな含みを持たせたいときにも使える言葉です。
一進一退と成長曲線(学習曲線)の関係
人の成長には波があり、常に右肩上がりというわけではありません。
努力しても成果が出ない時期や、むしろ後退しているように見える時期があるのは自然なことです。
成長曲線には、以下のような特徴があります。
- 停滞期を挟みながら成長が進む
- 小さな後退が起きることもある
- 後退に見える時期も、知識や経験が整理される大切な期間
この「波」のあるプロセスこそが、一進一退という表現にぴったり当てはまります。
一見遠回りに見えても、確実に前に進んでいることを実感しやすい視点です。
使うべきではないケース
便利な熟語ですが、どんな場面にも使えるわけではありません。
特に以下の場合は不自然になります。
- 結果がすでに明らかになった場面
試験に合格した後に「一進一退でした」と述べると違和感があります。 - 状況が安定している場面
良くも悪くも変化がない状態には向きません。 - 後退だけが続いている場面
「進む瞬間」がないため、一進一退の前提が成り立ちません。
この熟語はあくまで「途中経過のゆらぎ」を表す言葉であることを意識すると、誤用を避けやすくなります。
似た意味を持つ言葉
- こう着状態:状況が動かず、決着がつかないこと
- 行きつ戻りつ:進んだり戻ったりする動作を表す
- 五里霧中:状況がつかめず、判断が難しい状態
- 一進一退の攻防:互いが優勢と劣勢を繰り返す状況のこと
場面によって使い分けることで、より自然な表現になります。
まとめ
「一進一退」は、物事が進んだり戻ったりする不安定な状態を表すだけでなく、その中にある小さな進歩にも目を向けられる表現です。
成長や努力には波がつきものですし、その揺れ動きこそが前に進むための大切なプロセスでもあります。
日常でもビジネスでも幅広く活用できる言葉なので、状況に合わせてぜひ使ってみてください。
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