四文字熟語「塞翁が馬(さいおうがうま)」とは?意味・由来・使い方を解説

📝コトノハ綴り

こんにちは、yuuです。
生きていると、「これは不運だな」「ついていないな」と感じる出来事に出会うことがありますよね。でも、しばらく時間が経ってから振り返ると、「あれがあったから今がある」と思えることも少なくありません。そんな人生の不思議さや奥深さを端的に表した四文字熟語が 「塞翁が馬(さいおうがうま)」 です。
今回は、この言葉の意味や由来、使い方を、やさしく丁寧に解説していきます。


意味

塞翁が馬とは、人生の幸せや不幸は予測できず、何が良い結果につながるかは分からない という意味の四文字熟語です。
一見すると悪い出来事が、後になって良い結果を生むこともあれば、
良いことがきっかけで思わぬ不運に見舞われることもあります。

この言葉には、次のようなニュアンスが含まれています。

  • 目の前の出来事だけで、幸・不幸を決めつけない
  • 人生を長い目で見る大切さ
  • 一喜一憂しすぎない、落ち着いた心構え

単なる楽観論ではなく、「今は判断できない」という冷静さを教えてくれる言葉でもあります。

霧に包まれた分かれ道で、人物が馬を連れて立ち止まり、どちらの道にも進まず先を見つめている様子。
先の見えない分かれ道で、判断を急がず立ち止まる時間。

由来・語源

塞翁が馬は、中国の古い思想書『淮南子(えなんじ)』に記された故事に由来します。
「塞翁」とは、国境近くに住んでいた一人の老人のことです。

あるとき、その老人の大切な馬が逃げてしまい、周囲の人々は不運な出来事だと同情しました。しかし老人は、「これが幸運につながるかもしれない」と静かに答えたといいます。すると後日、その逃げた馬が、さらに優れた馬を連れて戻ってきました。

ところが、その馬に乗った老人の息子が落馬して足を折ってしまいます。再び不幸に見えた出来事でしたが、その後戦争が起こり、足を負傷していた息子は徴兵を免れることになりました。この一連の出来事から、幸運と不運は簡単には判断できず、何がどのような結果をもたらすかは分からない、という教訓が導かれたのです。
なお、「人間万事塞翁が馬」という形で使われることもあり、こちらはより完全な表現とされています。


なぜ「馬」でたとえられているのか

塞翁が馬をはじめ、ことわざや四文字熟語、慣用句には「馬」が登場するものが多く見られます。これは、馬が長い歴史の中で、人の生活や運命と深く結びついてきた存在だったからです。

近代以前、馬は移動手段や労働力であると同時に、財産や軍事力の象徴でもありました。馬を得ることや失うことは、生活や立場を大きく左右する出来事だったため、幸運や不運の象徴として非常に分かりやすい存在だったのです。

また、馬は力強く優秀でありながら、気性が荒く人の思い通りにならない一面もあります。そのため、人の感情や運命の流れといった、制御しきれないものを表す比喩としても使われてきました。塞翁が馬で「馬」が用いられているのも、人生の行く末が簡単には読めないことを、直感的に伝えるためだと考えられます。

関連記事として、同じく「馬」が使われている言葉の記事もあります。あわせて読むと、「馬」という存在がどのように意味づけられてきたのか、より立体的に感じられると思います。


使い方と例文

塞翁が馬は、出来事の結果を急いで判断しないよう諭す場面 でよく使われます。
落ち込んでいる相手に対して、やさしく視点を変えてあげる言葉としても便利です。

使われやすい場面には、次のようなものがあります。

  • 仕事での失敗や、計画どおりに進まなかった経験
  • 人間関係のトラブル
  • 進学・就職・転職などの節目

例文をいくつか見てみましょう。

  • 今は大変そうですが、これも塞翁が馬かもしれませんね。
  • あのときの失敗が、結果的には塞翁が馬になりました。
  • 落ち込む気持ちは分かりますが、塞翁が馬という言葉もありますよ。

相手の気持ちを否定せず、そっと寄り添う形で使うのがポイントです。

霧の中の崖の上で、座って遠くを眺める人物と、そのそばに静かに立つ馬の後ろ姿。
今は答えを出さず、ただ流れを受け止める静かなひととき。

現代における塞翁が馬の考え方

現代社会は、結果や評価がすぐに求められる時代です。
SNSやニュースでは、成功と失敗が瞬時に比較され、判断されがちです。

そんな中で「塞翁が馬」という言葉は、次のような視点を与えてくれます。

  • すぐに結論を出さなくてもいい
  • 今の評価が、未来の評価とは限らない
  • 人生は点ではなく、線で見るもの

無理に前向きになる必要はありませんが、「今は分からない」と考えるだけで、心が少し軽くなることもあります。
塞翁が馬は、焦りや不安を抱えがちな現代人にこそ、しっくりくる言葉と言えるでしょう。


似た意味を持つ言葉との違い

塞翁が馬と似た意味を持つ言葉はいくつかありますが、微妙な違いがあります。

  • 禍福は糾える縄の如し(かふくは あざなえる なわ の ごとし):
    幸と不幸はより合い、交互に訪れるもので切り離せない関係にあることを表します。
  • 怪我の功名
    失敗や災難といった出来事が、結果的に思いがけない良い結果につながることを意味します。

 → 詳しくはこちら:ことわざ「怪我の功名」とは?意味・由来・使い方を解説

これらに比べ、塞翁が馬は「結果は最後まで分からない」という、より中立的で達観した視点を持っているのが特徴です。


まとめ

塞翁が馬は、人生の出来事をその場の感情だけで判断しないための知恵が詰まった四文字熟語です。目の前の出来事が良いのか悪いのかは、すぐには分からないことも多く、時間が経って初めて意味が見えてくる場合もあります。

つい結果を急いで評価してしまいがちですが、塞翁が馬という言葉は、少し立ち止まって物事を眺める視点を与えてくれます。今の出来事に一喜一憂しすぎず、人生を長い流れとして捉えることで、心に余裕が生まれることもあるでしょう。

良いことも悪いことも、どこでどのようにつながるかは分かりません。だからこそ、判断を急がず、今はまだ分からないと受け止める姿勢が大切なのかもしれません。

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言葉の奥深さをもっと楽しみたい方へ。

たーさん
たーさん

チビ、焦って決めなくていい場面もあるにゃっ。

はーちゃん
はーちゃん

そうか、あとで意味が分かるってこともあるにゃっね。

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